経営戦略や経営計画は立てるだけではいけない
中小企業が売り上げを伸ばし、利益を獲得するために経営戦略や経営計画は欠かせません。
経営戦略は、事業における「羅針盤」となるべきものであり、日々の業務の方向性や、従業員のベクトルをそろえるためにも重要です。
ところが、経営計画や戦略が必ずしもうまくいくとは限りません。
デフレが続き、中小企業にとっての景況感が悪い現状において、たとえ短期といえども将来を見通すことは容易ではありません。
「予想をしても外れる可能性が高いから、計画や戦略は使えない、無駄だ」
「計画や戦略は立てても、意味がない。目の前の売上を着実に上げる事こそ大切だ」
などと言われる場合があります。
それは本当でしょうか?
計画や戦略がうまくいかない原因を探る
立てた計画や戦略がうまくいかない場合がある。むしろ計画通り進まないことが当たり前と心得て取り組む必要があります。
そして、うまくいかない場合は、その原因がどこにあるのかを探る必要があります。
【計画や戦略がうまくいかない理由】
- 外部環境の変化により需要が落ち込む場合
- 取引先や仕入先の予想外の状況の変化
- 自然災害など突発的な事象で
など外部の状況が変わる場合もあるでしょう。
計画や戦略そのものに目を向けてみると
- 戦略策定時の仮説が誤っていた
- 戦略は妥当でも行動計画に誤りがある
- 行動計画通りに行動できていない
- 行動の品質が戦略目標達成に貢献していない
- 戦略の前提となる人材や組織に予期しない変化が発生した
など多くの原因が考えられるわけです。
このような分析を行っているかどうかという点でも戦略の価値や意味が出てきます。
戦略を立てて「できた」「できなかった」だけでは、価値がないのです。
戦略仮説が妥当か、行動レベルが妥当か
戦略や計画が予定通り進まない状態。たとえば、「顧客サービスを徹底化し、顧客単価を上げる」というような戦略を立てていて、それがうまくいかない状況を考えます。
この場合、戦略そのものが誤っているケースや戦略仮説の前提となるサービスの徹底ができていない場合、サービスは行っているが品質に問題がある場合など様々な要因が考えられるはずです。
立てた計画の「結果」のみに目を向けてもその原因はなかなか見えません。戦略の仮説やプロセスのどこかに問題が発生しているはずです。そこに目を向けることで原因と改善策が見えてくるはずです。
戦略や計画の修正
大切なことは、戦略や計画を固定的に考えるのではなく、前提となる仮説に誤りがあれば、随時修正していくことです。また戦略に誤りがなくても行動レベルに課題がある場合は、行動できるような支援策や改善策を考えることが必要です。
ここで、できていない人を責めるだけになってしまったり、原因の分析があいまいになってしまうと、「使えない計画・戦略」になってしまうわけです。
計画はその通り進むとは限らない。
ただし、うまくいかない場合こそ、その原因を追究し改善を積み重ねることで、戦略の品質が上がり、その取り組みの中で経営力が向上する。つまり、組織としての成長も達成されるのです。
使えない計画、使えない戦略は実は、「使おうとしていない」「作っているだけ」ということがほとんどであります。
作ればうまくいくのではなく、
作った計画や戦略の仮説をもとに、業績向上のための取り組みと改善を継続し、ビジョンを達成するための指針として使っていくべきものであります。
それができるかできないか。中小企業・零細企業にとっても好収益体制を作れるかどうかの重要なポイントになります。
経営戦略・計画の立案や管理のご支援について相談ください
中小企業、零細企業、個人事業など規模や業種を問わず戦略は非常に重要です。
銀行に提出するだけの計画にするのではなく、適切な経営の管理を行うための重要なツールとして徹底的に活用するのが良いのです。
小さな会社にもそれは十分できることです。
戦略策定や計画策定の相談をいつでもお受けいたします。気軽にご相談ください。
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