人件費(賃金)を上げるための経営力

コスト削減=人件費減では経営力が削れてしまいます

金融緩和や円安の傾向、株価の上昇と景気回復とデフレ脱却に向けた期待感がますます高まっています。そのなかで、労働者の報酬を増やし、消費も伸ばすという要請が高まっています。政府の働きかけもありましたし、そのなかでローソンが年収引き上げを決定しているようです。

会社の業績が回復したとしても従業員が豊かにならなければ全体での景気は回復しない。基本的にはそうですが、中小零細企業の経営ではどうか?と考える必要があります。

  • 株価が上昇したとしても、うちには関係ない
  • 赤字傾向が続いていて、人件費が上がるなんてとんでもない

と考える経営者様も多いかもしれません。

 

業績が悪化した際に真っ先に取り組まれるのが「コスト削減」であるわけですが、その中で人件費の削減に安易に手を付けてしまうと経営力を削いでしまうことになりかねません。短期的にはそれで業績が上がったとしても、「縮小均衡」で経営が委縮してしまえば、「業績悪化→コスト削減→人件費削減→従業員のモチベーション減少や退職→さらなる業績悪化」というスパイラルに落ちてしまいます。

事業再生の途上で人件費の削減に取り組むことはあり得ます。しかし、それは将来において業績をアップさせ、社員に還元していくという強い意識も必要な取り組みでもあるわけです。

 

賃金を上げられるために

では賃金を上げるためにはどうすればよいか。これは単純にいうと「売上・利益を上げる」と、これしかありません。

売上・利益はそのままで人件費を上げることができればよいですが、それは難しいですね。もちろん原価低減や経費削減で利益を向上させれば可能ではありますので、一つの選択肢ではあります。

とはいえ、やはり収益を上げられる経営力を付けることが最も近道であることには変わりはありません。人件費総額が上がったとしても、人件費率や労働分配率を維持、もしくは低減するための戦略を考えていく必要があります。

(例)売上:1000 人件費:300 人件費以外の原価・経費:700 人件費率:30%

上記の例で、人件費を5%増やしたいとするした場合は、どのように考えればよいでしょうか?

単純計算ですと、人件費300×1.05=315となります。人件費率を30%で維持する場合は、売上は1050必要です。つまり、売上は5%は最低でも上昇させる必要があります。もちろん人件費以外の原価・経費もありますので、売上5%を上げるための原価や経費の伸び率は5%以内に抑える必要があります。

これは非常に単純な計算ですが、実際は、人件費を5%上げる場合、将来への投資も考え、社内留保も増やしたいと考えるのは当然ですし、そのあたりも加味する必要があります。

売上増だけではなく、経費の削減を進めつつ付加価値を上昇させることで人件費率は上がっても、労働分配率は相対的に下げていくということも可能かもしれません。

 

人件費については、削減で考えるよりも将来的な「プラス」の道を考える方が従業員のモチベーション向上にもつながります。そのために、「戦略の見える化」「営業の見える化」の取り組みと、その取り組み対する「全社員の参加」がとても意味を持ってきます。

 

もちろん簡単にできるといっているのではありません。困難も多いでしょう。しかし、やらないといけないということには反対はないと思います。

賃金も社内留保も確保できる売上と利益目標がどのようなものであるかを決め、それに向かって何をするのか描けていますか?これはとても大切なことです。

 

 企業は賃上げに消極的?

企業側の態度は、ロイターの企業調査によると消極的なもののようです。賃上げに前向きなのは約1割程度という結果だったそうで、コスト抑制圧力が強い中賃上げに抵抗のある企業が多い表れでしょう。

しかし、賃上げに消極的な企業の理由をみると、業績改善の見通しが立っていないという根本の原因が見え隠れしています。

中小企業の経営者様も従業員様も認識すべき大切なことは、賃上げ「だけ」を求めても不可能なことがあるということです。逆に経営者側の立場に立って会社業績「だけ」を考えても当然よくありません。それらは関連があるものなのです。

賃上げをするために、さらなる効率化を進め、労働生産性を高めて賃上げの前提を作り上げることが当然必要です。会社ごとに取り組みの前後があるかもしれませんが、片方だけでバランスが取れるものではないということを強く認識しておく必要があります。

それを踏まえて経営改善のポイントがないか真剣に考えてみましょう。

 

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