経営力向上の3本の矢を考えよう
アベノミクスにより景気回復の期待感が増しているわけですが、デフレ脱却に向けてよく3本の矢ということが言われています。つまり金融緩和・財政出動・成長戦略ですね。
景気回復という大きな課題に対して、例えば金融緩和だけを行っていても効果が出ないわけです。
お金が大量に供給されてもそれが回らなければ効果が出ないのは当然ですね。
金融緩和でお金が供給され、財政出動で需要を下支えし、成長戦略で市場の需要を刺激しお金が回るようにするという風に考えるとお金の動きのイメージが見えてきます。このことが、景気回復への期待感へとつながっていくと考えることもできます。
このように考えると3本の矢というのはとても筋の通った考え方なのかもしれません。
では、中小企業の経営ではどうでしょう。
中小企業の多くが抱えている課題はなんですか?多くの経営者さんは、「真の収益力」を得ることについて課題を持っているのではないでしょうか?
収益力の向上、つまり売上や利益を上げる力を得るために経営改善を行う必要があるのです。
でも
- もっと営業しろ!と声高に叫んだり
- もっと魅力的な商品を開発しろと号令を掛けたり
- もっとコスト削減しろ!と通達したり
このような取り組みを行っても効果が出ない会社が多くあるのが現状です。
これは、問題を一面的にとらえてたった一つの号令のもとに効果を上げようとしているからであります。
それぞれの目標や課題に対しては、それを構成する要因をよくよく吟味して、改善のためのストーリーをつくりだす必要があります。そのストーリーを戦略に落とし込む際に、「3本の矢」のような一連の取り組みが見えてくるのではないでしょうか?
改善への筋道を取り組みに落とし込もう
例えば、新たな商品やサービスの開発が必要と判断したとしましょう。
たまたま中小企業の経営者さんがとても開発に対してエネルギッシュで次々と新たな発想が飛び出し実行力もあるのであれば、問題はないでしょう。
でもそうでない場合はどうすればよいのでしょう。
新たな商品・サービスを考えろ!と行っても、新たなアイデアについてアンケートでアイデアを募集しても良いアイデアがすぐに出てくるとは限りません。
商品やサービスを創るために自社にどのような課題があるのかを考えて見ましょう。
- そもそも新しいアイデアやサービスを検討する時間が確保できているか
- 顧客のニーズや市場の動向などが理解できているのか
- 実際に施策したり新サービスをテストするプロセスがあるのか
- 新しい商品・サービスを「提案」として営業にかけているのか
といった項目について課題が見えてこないでしょうか。
こういった課題について整理して、やるべきことを検討すると取り組まないといけないアクションプランが複数出てくるはずですね。その取り組みはたった一つの方策ではなく、おそらく複数の取り組みが組み合わさったものになると思います。それが3本の矢なのか4本になるのかは課題によって異なるでしょうが、課題解決に向けたひとつながりの取り組みが見えてくることでしょう。
個別課題だけでなく、「経営」レベルの課題に対する考え方も同様に「経営資源を確保し」「既存事業からの収益を確保し」「新規開拓に向けて経営資源を集中投下する」といったような大きな流れが見えてくるはずです。
そしてさらに検討を進めアクションにまで落とし込むことで、経営は必ず改善できるのです。
収益改善に向けた自社の3本の矢を検討してみてください。