計測できないものをいかに管理するか
前回は「計測できないものは管理できない」という見出しでコラムを書きましたが、経営をしていると計測管理というのが難しい局面があると感じられる場合も多いことと思います。
皆さんは経営を行っていて、管理をしたいけど「計測が難しい」と感じられるポイントはなんでしょうか?
例えば、
- 顧客満足度
- 従業員のモチベーション
といった、人の感性や勘定にかかわる部分の管理は難しいと感じるかもしれませんね。
その他にも、計測や管理が難しい事象は経営においては多くあると思います。
それは定型的な業務ではなく、非定型的な業務に多いかもしれません。
売上を5%伸ばすという目標に対しては、ある程度定量的に既存の業務を管理・強化していけば実現ができるかもしれません。
しかし、売り上げを倍にするという目標を立てた場合はどうでしょうか?通常の業務管理を超えた、非定型かつ創造的で革新的な取り組みが必要になってきそうです。
このような革新を起こすためには、既存の取り組みを計測・管理していても見えてこない取り組みが必要になってくるでしょう。また既存の事業にとらわれない革新を起こすためには既存の尺度での計測がそぐわない場合もあるかもしれません。だからといって、革新的な取り組みを「計測・管理する」といった考え方はなかなか現実的に思えませんね。
このように、非定型な事象や、既存の事業と異なるベクトルにある事象は単純な「計測や管理」は難しいと考えられます。
しかしながら、だからといって管理が必要ないということになるでしょうか?
認識する方法を考えないといけない
計測や管理が難しい事象を管理対象から外してしまうと経営上、その事象が「見えなくなって」しまいます。これは経営者の意思決定においてあまりよくない場合もありますね。
ゆえに、何らかの形で検討の「俎上に乗る」ということが重要になってきます。
- 非定型事象が発生したら、しっかりと記録を取る
- アイデアや提案は記録され、検討される
- 顧客の感情や要望を聞き取り、情報を共有する
といったことを行い、それらの情報から意味を抽出して経営に活かすことは可能なはずです。事象の発生をとらえることができればその記録の中から件数を取得したり、時間や金額、進捗を見える化していくことは可能になります。計測が難しそうな問題でも認識し、情報を収集し、検討すれば様々な管理情報に昇華させることが可能であると思います。
前回も計測によって「アラートが上がる」ことが重要であると述べました。非定型な事象や革新・イノベーションといったことも何らかの形で認識のためのアラートが上がる工夫が必要になります。
難しいかもしれませんが、中小企業・零細企業においても定型・非定型の事象が認識され、計測され、管理される状態というものを作りこんでいく必要があります。すべての事象を管理しましょうと言っているのではありません。会社の業績や収益構造を改善させるために必要な取り組みが管理されないといけないということであります。
何をどのように管理したらよいか?などいつでもご相談くださいね。
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